『古御神(コミガミ)の人』が懐かしい

『日本の神様のらしさ』が軽快なキャラクターで再現されていて、とても好きだった。

今は読めないウェブ漫画。イザナギとイザナミをテーマにした現代ファンタジー。

http://omoshiroiwebmanga.blog.fc2.com/blog-entry-39.html

理不尽な状況に(カミサマにも理不尽が襲いかかる)右往左往して(人外の不思議な力でいい感じに解決しないんか〜い)その影響力の大きさ故に周りを巻き込んでいく(災厄)、あの感じ。

長い時間をかけて生贄として育てられる理不尽さ、という重めのテーマをベースに、
恋愛要素も織り交ぜつつ、主人公たちが心の葛藤にどう折り合いをつけるか(つかないけど)、
というのが描かれていて、とにかく好きだったんだけどな。未完だけど。

神話や古典をベースにしたファンタジー、いいよな。
シャーロックホームズが愛されすぎて、原作以降、今も延々と新しい作品が作られちゃう、みたいなやつ。

今でも続きが読みたいんだけどなぁ。

でも、最後の方で更新されたページの中に
『物語のクライマックスではないけど、正直、これはオチでは(私的に強い納得感あり)』というシーンがあって、更新がされなくなった時、これを書けたのなら続きは書かないかもなぁ、という気もした。

要約すると、イザナギが「恋人と弟の片方を亡き者にするから、どちらかを選べ」と主人公(の一人)を脅すシーンがある。主人公本人はどちらを選択しようと死ぬ運命(世界の存亡と引き換えの生贄なので)、優先順位は明確で『弟のいない世界は救う価値もない』とあっさり恋人を差し出そうとするけど、そこに愛がない、ということではなく、
『恋人がこの世に存在して、愛し愛された事実は永遠に不変だし、そこにお互いの生き死にはもはや関係ない』
みたいに言い切るシーンが、いつまでも「美しかったイザナミ」に縋って、現実を受け入れられず、延々と駄々を捏ね続けてるイザナギの幼さ(*)と対比させられてとってもいいんだよな。

「どうしようもなさ」に翻弄されて泣き喚く神様と、そのせいで「どうしようもなさ」を押し付けられて楽しく生きることを諦めさせられ続けた人が対話してるのが、好きだったなぁ。

そんなわけで、作者の方が亡くな理でもしない限り、今でもアップロードを待っている古参のファンをひっそり続けている。

私が知らないだけで、別のペンネームで転生してたりしないのかなぁ…。Twitterアカウントは生きてるっぽいけど。

* 古事記では、死後の世界に赴いて姿形が変わってしまったイザナミを受け入れられず「生者の世界と死後の世界」の袂を分つことになってる。

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