仕事でたまにワクチンの話を目にするけど、ワクチン忌避(vaccine hesitancy)にはグラデーションがある。

目につきやすい『反ワク』というのは、右端の「確信をもってワクチンを拒否する」群の事だとした時、中には、本当に教育がうなく行かなかったとか、知識が足りないとか、虐待とか、そういうケースもあるんだろうけど、多くはそうではないんだろうなと。
反ワクという姿勢そのものが『何らかの鬱憤をはらすツール』として選ばれた『ストーリー』の一つなので、もはや科学がわからんとか対話ができないとか、そういう話ではないんだろうな。と思っている。
そういうスタンスを取ることが何らかのメリットになるので意識的にやっている、というのは除く。プロパガンダとしての政治利用とか。
理屈でない理由で『ワクチン』を嫌煙する人たちに『ワクチン』の科学的な原理や集団免疫を説いても意味がないし、科学が分からない愚かな集団、とラベル付けても、分断を煽るだけというか、火に油を注いでいるだけというか。
だもんで、そういう人たちにできる事を探すのはすごく難しいし、即効性のある対策なんてないんだろうなと。
とはいえ、医療の最前線では、そういう『科学を拒否して重症化した人』も、運ばれてきたら平等に「救う」。
本来防げたはずの事態に限られたリソース(人的、金銭的)が割かれる現場の複雑な心境も聞いたことがあると、何とも言えない気持ちにはなる。
さて、コロナで強制的に『ワクチンへのスタンス』とか『忌避の現実』に注意が向かわざるを得なくなったけど、そもそもパンデミック前に、WHOは『人類の保健に対する10の世界的脅威』の一つに、『ワクチン躊躇(vaccine hesitancy)』を挙げている。
当時は、ポリオとか麻疹へのワクチン躊躇として警鐘を鳴らしていたようだけど。
2019年、世界保健機構(WHO)は、人類の保健に対する10の世界的脅威に初めてVaccine Hesitancy(ワクチン躊躇)をリストに挙げた。ワクチン対象疾患が希少となったため、その効果を実感することなく、逆に副作用などへの疑念が強くなり、予防接種を躊躇する。その結果、麻疹など当該疾患の再興が欧米でも起こり、犠牲者が出ている。
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19K10480/
5か年戦略計画における『第13回一般作業計画』
Ten threats to global health in 2019より
・大気汚染と気候変動
・非感染性疾患NCDs
・グローバルなインフルエンザ・パンデミック
・脆弱な国の保健システムの強化
・薬剤耐性AMR
・エボラや他の高脅威病原体
・弱いプライマリヘルスケア
・ワクチン接種への躊躇
・デング熱
・HIV
https://japan-who.or.jp/news-report/10-threats-to-global-health/
https://www.who.int/news-room/spotlight/ten-threats-to-global-health-in-2019
ワクチンが本来の目的を果たして感染症がなくなったら、むしろ危機感がなくなって忌避になる、というのは、何だかすごい事だよな、と改めて思った。

