例えばタロットカード。
『偶然引いたカードが、現在や未来や過去の自分のあり方を言い当ててくれる』
なんてことはなく、
『そのカードが引き受けているストーリーに触れて、今、ここで自分に何が起こっているかを知るためのツール』
なんだと思ってる。
例えば、占いの手順に則って悩み事を思い浮かべて『悪い意味』のカードを引いたとする。
『やっぱり、こんなふうになっちゃうのか』
『そんなはずはない、信じたくない』
何かしら感想を持つ。
カードは何かを必ず「決めつけてくる」。
ジャッジしてくるから、そこに共感したり反発したり、とにかく「感情」の動きがある。
『…やっぱり』って何?うまくいかないって思っていたってこと?
原因も実はわかっているのでは?わかっているのに誤魔化そうとしていることは何?
『そんなはずない』ってどういうこと?
完璧だと思っていたの?あるいは、実はどこかに心配事があったの?
そうやって自分に掘り下げて問うことができる。
だから、
『偶然引いたカードが、現在や未来や過去の自分のあり方を言い当ててくれる』
っていうのは本当だと思う。
「本当」というより「本当にできる」。
どんなカードも意味づけ次第で「そう読める」から。
決めつけられた「意味」を一旦引き受けて、自分が何と何を「関連するもの」だと捉えたかを探ったり考えてみる。
というところに占いの楽しみがある。気がする。
「このカードじゃ、何のことを言われているかさっぱりわからんな。」という時は、
『そのカードの意味から想像した何か』と『自分の中の何か』が、全くリンクしなかった時。
ハンターハンターで言えば、
最初にパクノダに『鎖野郎』と問われた時にはそれが『クラピカのこと』を聞かれていると想起できなかったゴンとキルアみたいな。
その質問(メッセージ)からでは、なんか引っかからない、「想起されない」ってこともある。
だから、状況が変わったり、向けられた質問の深度や角度が変わると、『鎖野郎』が『クラピカ』だと想起されるようになっちゃう、みたいな。

(HUNTER×HUNTER 12巻)
ところで、タロットカード、いろんなバージョンがあるし、ストーリーもわかりやすくていろんな絵柄があって結構好き。
